外部カタログ連携(パンチアウト連携)とは?購買管理システムにおける仕組みとメリット

外部カタログ連携(パンチアウト連携)とは?購買管理システムにおける仕組みとメリット

外部カタログ連携(パンチアウト連携)とは、購買管理システムと接続するための専用のカタログサイトとcXMLというデータ交換のプロトコルにより構成される仕組みであり、外部のサプライヤECサイトで検索した商品情報を購買管理システムのカートに取り込み、発注を行うことができるものです。事務用品、MRO、書籍、理化学など、多種多様な事業者が存在し、幅広い間接材を購買管理システムへ集約化する一助となります。

外部カタログ連携(パンチアウト連携)とは?

外部カタログ連携(パンチアウト連携)とは?

事務用品やMROなどの多品種・多頻度の物品調達を行う場合は、ECサイトで発注を行うことが一般的です。しかし、その場合、サプライヤ個別のサイトにログインする必要があり、購買履歴情報が散在するうえに各部署がバラバラに発注を行い統制が取れなくなる恐れもあります。そこで、購買管理システムとサプライヤのサイトを直結させ、発注担当者が購買管理システム上でスムーズに商品を検索・選定できる仕組みとして開発されたのが「外部カタログ連携(パンチアウト連携)」です。

外部カタログ連携は購買システムとサプライヤサイトを連携させる機能

外部カタログ連携とは、社内購買管理システムからサプライヤのカタログサイトへシームレスにつながる仕組みであり、1990年代に米国のAriba社(現SAP Ariba)によって開発された電子商取引関連のオープン規格であるcXML (commerce eXtensible Markup Language)により構築されます。同義語として「パンチアウト連携」とも呼ばれており、社内の購買管理システムから一時的に“外へ飛び出して”サプライヤのカタログサイトで商品を選び、最終的にその選択内容を再び購買管理システムに取り込む手順を指します。

外部カタログサイトで商品を選択し、購買システムのカートに追加した商品情報が、そのまま承認ワークフローや発注申請に回されるイメージです。これによって、ローカルカタログの登録負荷や他社ECサイトへのログインの手間が減り、購買実績が購買管理システムへ一元的に蓄積されることにより、購買プロセス全体の管理が最適化されます。

また、サプライヤのカタログ情報が外部カタログサイト上で常に最新状態で閲覧できるため、商品の仕様変更や価格改定があった際においてもリアルタイムで反映されるのが外部カタログ連携の強みです。価格違いやスペック違い等によるトラブルやメンテナンス工数が減り、データ入力等の負荷も削減されます。

外部カタログ連携(パンチアウト連携)での購買手順・仕組み

外部カタログ連携を利用した際の購買手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 購買管理システムにログインする
  2. 購買管理システム上の各外部カタログサイトへのリンクをクリックする
  3. 外部カタログサイトへの接続が行われ、インラインフレームまたは別ウィンドウで表示される(チェックイン)
  4. 外部カタログサイト上で商品を選んでカートに入れる等のボタンをクリックする(チェックアウト)
  5. 購買管理システムに戻り、選択した商品が購買管理システムのカートに反映される
  6. そのまま購買管理システム上で承認ワークフローの申請等に進み、発注を確定させる

購買実績はシステム上で一元管理されるため、分析が行いやすく、不正やミスも起こりにくくなります。こうした一連の動きがシステム連携により自動化されることで、手間の削減と管理精度の向上の両面で大きなメリットを得られるものとなります。

外部カタログ連携のサービスを提供するサプライヤの例

間接材購買管理システムである「SOLOEL」において接続実績のある外部カタログサプライヤは30社を超えており、以下のような多様なカテゴリーに対応しております。

オフィス用品 文房具、事務用品、用紙類、生活雑貨、飲料・食品、家具・什器等
MRO・作業用品 安全・衛生用品、工具、製造消耗品、塗料、ユニフォーム等
書籍 専門書や業界紙・ビジネス誌等の定期購読等
家電・PC関連 パソコン、周辺機器、複合機、ソフトウェア、生活家電、AV、デジタル家電等
印刷物 名刺、印章、スタンプ、帳票、封筒、名入れ等
研究資材 工業用化学薬品、研究材料、試薬、洗浄・減菌、潤滑剤、研究室消耗品等
理化学品 実験機器、理化学機器、計測器、検査機器、安全・衛生用品等

外部カタログ連携(パンチアウト連携)を利用するメリット

外部カタログ連携(パンチアウト連携)を利用するメリット

外部カタログ連携の仕組みを導入することで、運用工数削減、業務最適化、内部統制強化などの効果が期待できます。ここでは、外部カタログ連携の主なメリットを5つご紹介します。

価格一括比較やカタログ横断検索により最安値を見つけやすくなる

同一品や同等品を複数のサプライヤから比較検討して購入する場合、それぞれのカタログ冊子やECサイトを個別にチェックして価格やスペック等を調べるのは大変な時間と労力がかかる作業です。外部カタログ連携であれば、購買管理システム上の横断検索機能を活用することができ、同一画面上で複数サプライヤの検索結果を比較し、最適な商品や最安値を簡単に見つけられます。

ローカルカタログのメンテナンスが必要ない

購買管理システムにおける“ローカルカタログ”のメンテナンスは非常に負荷のかかる業務です。商品の改廃や価格・スペック等の変更があるたびに手動でマスタの更新作業を行わなければならず、人為ミスやタイムラグ、サプライヤからの通知漏れ等のリスクを孕んでおります。その点、外部カタログ連携においては、サプライヤ側のシステムが保有する最新データを参照するため、バイヤ企業側でのメンテナンスは一切不要です。

購買行動の可視化と統制が図れる

外部カタログ連携を通じて行われる発注履歴は、購買管理システムに自動的に蓄積・可視化されるため、誰がいつ、どのような品目を購入したのかを網羅的に把握することが可能となります。承認ワークフローや受入検収などの機能と組み合わせることで、不正や過剰発注といったリスクを未然に防止可能です。また、上長や購買管理部門が購買状況を業務フローの中でチェックできるため、異常値や不審な注文があれば即座に対処できます。

IDやパスワードなど管理情報を一元化できる

サプライヤごとに個別のECサイトを利用している場合、サイトごとに異なるIDやパスワードを管理しなければならず、自由勝手に買われてしまったり、セキュリティリスクや支払い処理などの運用コストの増大が課題となってきます。しかし、購買管理システムによる外部カタログ連携を導入すれば、ユーザーマスターを全社的に一元管理でき、購買管理システムの認証だけで外部カタログにアクセスできるようになります。また、検収実績を会計システムに連携すれば、すべてのサプライヤへの支払いを一括して処理することが可能になります。

サプライヤ横断で購買実績の一元化を図れる

多数のサプライヤから多種多様な物品やサービスを購入している企業の調達購買において、マスタやトランザクションデータを1つのプラットフォームに集約し、一元管理を行うことが最適化や効率化に向けた第一歩となります。外部カタログ連携を通じて取引した購買データは、購買管理システム側で一元管理できるため、サプライヤごとの明細レベルの購入実績や企業全体のコスト傾向を分析しやすくなります。結果として、ビジネス・スペンド・マネジメント(企業の支出最適化)を推進しやすくなり、調達戦略の高度化や効率・効果的な経費予算執行に寄与します。

まとめ

購買管理システムおよび外部カタログ連携を導入すれば、ローカルカタログの運用負荷軽減や複数サプライヤECサイトを利用するリスクや非効率の軽減に役立ちます。特に、間接材購買の業務品質向上や効率化を目指したい場合において、外部カタログ接続や横断検索機能を備えた購買システムの導入は大変有効です。

間接材購買管理システム「SOLOEL」は、外部カタログ連携機能を標準搭載しております。「外部カタログ連携によってカタログメンテナンス業務を効率化したい」「複数のサプライヤを横断検索して最適な商品を見つけたい」などの課題をお持ちであれば、ぜひこの機会に「SOLOEL」の導入をご検討ください。

間接材購買管理システム「SOLOEL」の詳細はこちら

この記事を書いた人

アバター画像

ソロエルメディア編集部

「ソロエル」では間接材購買プロセスに関する考え方やノウハウ、成功のポイントを紹介していきます。

関連記事