間接材における見積購買とは?システムを取り入れるメリットを解説

間接材における見積購買とは?システムを取り入れるメリットを解説

企業の調達購買活動では、カタログに集約できない、非定型な物品やサービスも数多く存在します。このような場合、必要な仕様、納期、サポート内容などを指定し、複数のサプライヤ候補の価格等を比較検討して最適なサプライヤを見つけ出す必要があります。このプロセスが「見積購買」です。

本記事では「見積購買」に焦点を当て、重要性や日本企業にありがちな課題、そして購買管理システムを活用した効率的な進め方について詳しく解説します。

間接材における見積購買とは?

企業が物品やサービスを購入する際、価格等の条件を比較して最適なサプライヤを選定することは購買業務の基本であり、その手法として見積をとって比較する「見積購買」があります。

間接材の中でも、事務用品やMRO(保守・修理・運用)のように、定型的なもの、完成品を購入するものはカタログ購買に集約することが調達購買最適化につながります。しかし、すべての間接材がカタログ購買に適しているわけではありません。例えば、受注生産品や数量や時期などによって価格が大きく変動する物品など非定型なものについては要求する仕様、納期、サポート体制などを都度指定して、価格を確認する必要があります。

このようなケースでは、複数のサプライヤ候補に対して見積を依頼し、提出された内容を比較して最適なサプライヤを選定するという「見積購買」のプロセスが不可欠です。

日本の企業にありがちな見積購買の課題

日本企業の多くは、見積購買において様々な課題を抱えています。この課題は、業務生産性の低下やコスト増加につながるだけでなく、戦略的な購買活動、調達購買最適化を妨げる要因にもなります。ここでは、見積購買に関してありがちな課題について詳しく解説します。

現場ごとに見積管理が分断されている

多くの企業では、見積の取得や管理が各部門や担当者に任されており、社内で一貫した管理がない状態です。例えば、同じサプライヤに対して複数の部門が独自に見積を依頼し、異なる条件で取引しているケースが少なくありません。

見積管理が社内で分断されていると、全社的な発注量をまとめられず、ボリュームディスカウントなどの交渉が難しくなります。また、同じ物品やサービスを部門ごとに異なる価格で購入するため、全体としてコスト増加につながりかねません。

見積書の形式が統一されていない

サプライヤ毎に見積書の記載項目やレイアウトが異なると、直感的に比較することができず、情報の見落としや解釈違いが生じる可能性があります。単位や価格の課税、非課税がバラバラなために、価格や数量の誤認を招いたり、比較のために情報を一覧にまとめる作業などが発生します。

ノウハウやコミュニケーションが属人化されてしまっている

見積管理が各部門や担当者で個別に行っていると、どのサプライヤに見積をとるかや、要求仕様の伝え方などの見積の手順・ノウハウが明文化されず、属人化しやすくなってしまいます。また、サプライヤとのコミュニケーションも個人に依存するため、取得先が増えるとコミュニケーションコストが増えてしまい業務の生産性低下につながります。

見積管理やサプライヤとのコミュニケーションが個人の経験や判断に依存するため、全社的に標準化されたプロセスの確立が難しくなることも避ける必要があります。

見積購買の効率化にはシステムの導入がおすすめ

見積購買は価格や条件を比較して、最適なサプライヤを選定するために不可欠ですが、複数のサプライヤへの依頼には相応の手間と時間がかかります。また上述した見積管理や形式の統一、属人化といった点での課題を抱えたままで調達購買最適化を推進することが不可能です。

見積購買業務を効率化し、一元管理するためには「購買管理システム」の導入が非常に有効です。購買管理システムはカタログからの購入や発注処理、社内承認フロー、実績データの管理など、購買に関する様々なプロセスを支援するツールですが、「見積購買機能」が搭載されているものもあります。システム上で複数のサプライヤに見積もりを依頼し、回答を受け取り、内容を比較検討することが可能です。

例えば、当社の「SOLOEL」は見積購買機能を備えた間接材購買管理システムです。複数サプライヤからの見積取得し、評価・選定して発注という一連の流れをシステム上で行うことができます。また複数サプライヤへ見積を依頼し、取得する業務そのものを、システムと一体となったBPOサービスとしても提供しています。システム導入による効率化に加え、業務アウトソーシングによる大幅な負荷軽減というメリットも享受できます。

▶間接材購買管理システム「SOLOEL」の詳細はこちら

購買業務において購買管理システムで見積購買を行うメリット

購買管理システムの「見積購買機能」を活用することで、どういったメリットがあるでしょうか。ここでは、見積購買で購買管理システムを利用するメリットを4点解説します。

判断基準のブラッシュアップ

見積購買機能を利用すると、過去に行った見積の依頼内容や各サプライヤからの回答などがシステム上に蓄積されます。担当者は次回以降、類似の物品やサービスで見積を取得・評価する際に、過去の履歴やデータを容易に参照できます。

担当者個人の経験や勘だけに頼るのではなく、客観的なデータに基づいて「どのような依頼をすれば質の高い回答が得やすいか」「どのサプライヤが特定の分野で強みを持っているか」などを分析することが可能です。

適切なサプライヤの選定と関係性の強化

従来、メールやFAXなどで行われがちだったやり取りがシステム上で記録・管理されるため、分析が容易になります。取引実績データと組み合わせることで、価格だけでなく、サプライヤの信頼性や対応品質といった側面も評価できます。

短期的なコストメリットだけでなく、長期的に安定した取引が期待できるサプライヤの選定が可能です。

業務効率の向上

見積取得からサプライヤ決定までの流れには、多くの手間と時間がかかります。見積購買機能を活用すれば、作業の多くをシステム上で効率的に行うことができます。

例えば、依頼テンプレートの利用や一括送信機能などが可能となり、手作業による業務負荷が軽減されます。サプライヤ側にとっても、標準化された形式で依頼を受け、回答できるため、双方にとっての効率化が期待できます。

電子帳簿保存法対応の推進

電子帳簿保存法では、取引情報の電子保存が義務付けられています。特に見積においては、複数回にわたり見積書が再発行されるケースも少なくありません。

法的には最終的に確定した取引情報を保存することが基本ですが、サプライヤとの交渉の上で再発行となる場合はそれぞれが「過程における確定データ」とみなされる場合もあります。そのため、すべての見積書を網羅的に保存しなければならないケースも想定されるでしょう。

購買管理システムを利用すれば、システム上でサプライヤとやり取りした記録が自動的に保存されます。最終的に取引が確定した見積書はもちろん、プロセス全体を漏れなく保存・管理できるようになり、法対応の実務負担を大きく軽減できます。

まとめ

カタログ購買への集約が難しい非定型な間接材の調達において、最適なサプライヤと条件を見つけ出すための見積購買は不可欠なプロセスです。しかし、プロセスが部門ごとに分断され、非効率な手作業が多く、ノウハウやコミュニケーションが属人化しているといった課題は、多くの日本企業で共通して見られます。

見積購買における課題の解決に役立つのが、間接材購買管理システム「SOLOEL」です。「SOLOEL」はカタログ購買機能に加え、手間のかかる見積購買のプロセスもシステム上で効率的に管理できる「見積購買機能」を標準で搭載しています。

「見積取得・比較の手間と時間を大幅に削減したい」「見積プロセスを標準化し、適切な記録管理と内部統制を実現したい」などの課題やご要望をお持ちの企業様は、ぜひ「SOLOEL」の導入をご検討ください。

▶間接材購買管理システム「SOLOEL」の詳細はこちら

この記事を書いた人

アバター画像

ソロエルメディア編集部

「ソロエル」では間接材購買プロセスに関する考え方やノウハウ、成功のポイントを紹介していきます。

関連記事